印旛沼は昔から、洪水のある一方で、豊かな自然に恵まれ、人の生活に潤いと活力を与えてきました。しかも、洪水を防ぐ施設として、また飲料水や工業用水、農業用水の水源として、漁業や観光の場として大切な沼です。
最近、印旛沼は周辺の都市化に伴う人口の増加などによって、水質汚濁の進んだ沼になってしまいました。今こそ、みんなで力を合せて水と自然環境を保全し、沼の再生に努めなければなりません。そして、きれいな印旛沼を次代に引き継ぐことは私たちの願いです。
当基金は、印旛沼と周辺地域の水質・環境の保全に役立てようと、千葉県と印旛沼流域の13市町をはじめ、関係団体が一体となって設立した公益法人です。
設立年月日 | 昭和59年11月20日 |
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所在地 | 千葉県佐倉市宮小路町12番地 (印旛郡市広域市町村圏事務組合 内) |
TEL | 043-485-0397(代表) |
当基金は、千葉県と流域13市町をはじめ、関係団体から、出捐金を頂戴し、この基本財産の果実(利子など)を使って、印旛沼の水質・環境の保全に関連した種々の事業を展開しています。
事業内容は、年度ごとに理事会等の承認を得て実施しています。
千葉市/船橋市/八千代市/鎌ケ谷市/成田市/佐倉市/四街道市/八街市/印西市/白井市/富里市/酒々井町/栄町
(計11市2町)
印旛沼流域におけるグリーンインフラに関する研究に寄与することを目的に公益財団法人印旛沼環境基金と国立研究開発法人国立環境研究所との連携に関する協定を令和6年6月27日に締結いたしました。
今後、目的を達成するため「印旛沼の水質浄化に関すること」、「印旛沼周辺地域の環境保全に関すること」、「その他目的を達成するために必要な事項に関すること」について連携・協力していきます。
写真 左側 印旛沼環境基金理事長 板倉正直 (印西市長)
右側 国立環境研究所気候変動適応センター副センター長 西廣 淳
(敬称略)
人は昔から印旛沼とともに歩み、その恩恵と、ときには洪水のような試練をも受け、畏敬の念をもって接し、印旛沼文化とも言うべき独特の生活文化を形成してきた。印旛沼にやすらぎを覚え、心のふるさとを感じることは、昔から続いてきた人と沼との緊密な関係の遺産である。
今、印旛沼を取り巻く環境は、人口の急増や生活様式の変化に伴って自然のバランスを崩しつつある。一度破壊された自然を回復することはむずかしい。さらに、私たちは、生活に、工業に、農漁業に、計り知れ
ないほど沼の恩恵を受けながら、ややもすれば印旛沼の存在さえ忘れがちである。
印旛沼は流域の環境と、そこに住む人々の生活を映す鏡である。今こそ、私たちは印旛沼の浄化と環境の保全に努め、沼と共に永く生きることを目指さなければならない。
そこで、印旛沼にかかわる私たちの心構えとして、ここに印旛沼憲章を定める。
印旛沼の自然と歴史を学び、親しく接しよう。
印旛沼の恩恵を心に刻み、環境にやさしい生活態度を身につけよう。
人と自然の調和をはかり、賢明で合理的な利用を心がけよう。
このかけがえのない印旛沼を永く子孫に引き継ごう。
この憲章は、当基金設立10周年を記念して、平成6年11月25日に制定したものです。
憲章とは、「原則的なおきて」のことです。印旛沼流域の住民はもちろん、印旛沼を利用したり、ここに遊ぶ人々すべてに対して「印旛沼の環境を護るための基本として、これだけは約束しましょう」と呼びかけたものです。
なお、この憲章をより多くの方々に知っていただこうと、看板を印旛沼周辺の公園等4箇所に設置していますので、お立ち寄りの際はどうぞご覧ください。